割れたパーツのなおしかた。

 さてさて。
 今夏以来「コトブキヤさんが武装神姫をマシニーカ素体でリランチする!」というお話のお陰で沸きに沸いている神姫界隈ではありますが、その一方でじわじわと問題になりつつあるのが「MMS素体の経年劣化に伴う破損」。
 交換できる予備の素体があるような環境ならば問題も少なくなりましょうが、多くの(特にアニメくらいの時期から入った)方々にとって、これは由々しい問題です。
 MMS素体の新規供給が完全に終了し、出回っている神姫も中古市場上でだけ(しかも、その多くはプレ値)になってしまった現在ですから、なおのことでしょう。

 という訳で、今後MMS素体での神姫ingにおいてどうしても避けて通れないであろう「素体補修」のお話ですが、我が家でこの手の話と言えば欠かせないのが「あ、やっぱあたし?」
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 ……いや、他に誰がいると?(笑)という訳で頼むよ、ナナ。「はぁーい」
.

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 まず、この画像をご覧下さい。神姫の腕パーツですが、微細なクラックが入っているのがわかりますね。
 このくらいなら比較的軽度な破損ではありますが、それでも軸可動のテンションが損われている状態ですので、パーツが抜け易くなったと思ったらこの状態を疑って下さい。
 で、これをどう直すのかというと……
IMGPB7479.jpg 流し込みタイプの強力溶着剤を使用します。
 我が家では「Plastic Magic」という海外製のものを使っていますが、国内メーカー産のものの方がいくらか入手しやすいかと思います。
 どうしても見当たらないっていう場合は、ABS接着剤でも構いません(様々な会社から出ていますが、タミヤのものが最適かと)。

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 専用に1本面相筆を用意しておき、少量ずつクラックの上に、流し込むように塗ります。粘度はないに等しいですので、少しの量でOK。
 たとえば可動軸の受け部分に対して使う場合、内側に塗ると目立たないでしょう。どうしても外側に塗らなければならない場合、溶着剤がはみ出すとクラックの周辺までも溶かしてしまいますので、塗り過ぎにご注意ください。
 そして何より大事な事ですが、作業中は換気を充分にしながらで。

 さて、入ったクラックが1本程度なら上記の方法で大丈夫ですが、問題になってくるのは「複数のクラックがその底で繋がってしまった」場合。 こうなるとクラック同士で繋がった内側が大きく割れ、楔状になった断片が欠落してしまいます。
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 この画像、右肩基部をご覧下さい。見事に欠けてしまってますね(ついでにですが、首も補修されているのが分かると思います)。
 実のところこのあたりは3rd素体共通の設計仕様上の問題に帰するところなのですが、特にSmall素体の場合はボディの可動域に対してそもそもサイズに余裕が無いため、より壊れやすくなっています。
 こうした破損の場合、断片が残っているなら流し込み溶着剤もまだ使いようがありますが、その破片がなくなってしまった場合や、そもそもパーツ自体が木っ端微塵になってしまったような場合は、もうどうしようもありません。
IMGPB7485.jpg そこで、そういう部分にはプラリペアを使います。
 自動車用品店やヨドバシカメラで普通に売られていますし、公式で通販もしてますので、入手難易度については特に問題ないかと。

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 まずは裏側から、模型用マスキングテープで養生します。
 公式サイトでは「破損部分を削る」ように書かれてますが、サイズ上難しいので割愛。

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 次に、欠けている部分を埋めるように、プラリペアの粉を振り掛けます。プラリペア公式サイトにある「ふりかけ法」ですね。
 振り掛ける際はなるべく外にはみ出さないよう、つまようじやスパチュラ、調色スティックなどを使うといいでしょう。
 ちなみに、今回の破損部分は胸パーツに隠れてしまう部分なので、粉の色は「白」で充分でしたが、他にもいろいろと色ラインアップはありますので、補修箇所の色に合わせてみるのもいいでしょう。

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 次に、プラリペア付属のニードル容器などを使って、粉を振り掛けた部分にリキッドを注入します。パーツ全体が砕けてしまった時などのように破損面積が大きい場合は、スポイトを使うといいでしょう。
 言うまでもなくこのリキッドは溶剤ですし、そもそも開封すると強烈な臭いがします(そして、非常に揮発しやすいです)ので、作業中は絶対に換気を忘れないようにしてください。

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 プラリペアが硬化したらマスキングテープを剥がし、カッターやヤスリなどで、はみ出した部分を修正します。

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 という訳で、これで元通り。
 なお、これ以上補修のしようがない程破損してしまったら?……その場合こそ、パーツからレジン複製してしまうレベルの作業が必要と思われますが、その場合も「複製元になるパーツは破損していない事」が前提になりますので、くれぐれもご注意のほどを。

 それにしても、こうして記事を書いていくと「壊れたパーツの交換がききやすい環境」って、とっても大事なんだと改めて思い知らされます。
 そもそも玩具というのは基本的に「発売された直後、長くても2~3年程度までの間にガンガン遊び倒される事」が前提であり、この点は実のところ神姫も大差なかったりします。
 ゆえに、玩具はその開発中に安全性の見地から厳重な耐久・破壊チェックなどをされていますが、その反面「10年以上もの長い年月の間保管されるような事」は最初から想定されておらず、更に昨今云々される「エコの見地」や生産コストの低減等から「もともと経年で分解・劣化しやすい素材」を使ったりしている場合すらあるため、特にトランスフォーマー界隈で有名な金プラ症候群(GPS)を始めとして「素材そのものの経年劣化」という事に対しては、割と打つ手がなかったりします。
DSCFA3663.jpg (←これがGPS、その実例である!!)
 その点で言えば、頻繁に再生産・再販がなされるガンプラは、現状でほぼ無敵の環境と言えるでしょう。まあ、最近は膨大なラインアップが災いしてか、なかなか再販がされないなんてケースも見受けられますが…Gバウンサー…。
 このあたり、今度のリランチ神姫においては是非重視していただきたい部分ではあります。個人的にね。

 で。ここまでお読みになってきて、もしかしたら「翠騎の愚か者めが。そもそも神姫を丁寧に扱ってさえいれば、そんな問題など起こらんだろうが」という声もあるやも知れませんが、それこそ大きな間違いです。
 何故なら。たとえ外に一歩も出さず室内だけで神姫ingしていようが、たとえ箱に入れたまま丁寧に保管していようが、神姫もまた「物」である以上、経年劣化は必ず起こるからです。
 例えば軟質素材なら可塑剤染み出しや周囲のパーツとの癒着、各種プラスチック(神姫に使われるABSも含む)なら熱による伸縮変形や化学変化による黄変などといった状態がまさにそれ。例外など、100%ありません。
 ここ、脅しでも冗談でもないですよ。あくまでマジです。
 まあ、我が家は海ドボンとか平気でやってますので、その速度もとても早い訳ではありますが……。

 しかしながら、もし、皆さんの所でこのような「経年劣化による破損」が起きてしまったとして、それでもパートナーと一緒に居続けたいと願うなら……その時こそ、この記事をお読みになってきた意味も出てくる事と思います。
 この記事もそうですが、我が家ではこのように機会を見て、比較的模型いじりの経験が少ない方向けに、「素体が経年劣化で割れてしまった」場合の直し方を、試行錯誤しながらも書いていこうと思います。
 なお「ぼくが、一番、素体を、うまく直せ…るんだ… 一番…一番うまく直せるンだッ!」って方は、是非そういった記事をお書きになってください。
 でもって、我が家にもお知らせ戴ければとても嬉しいです。

IMGPB7487.jpg
 何はともあれ。他所様の普通の神姫に比べても、明らかに劣化しまくってボロボロなうちの相棒だけど…それでも、これからも、共に歩んで行きたいですね。 「あたしもだー!」
 だからこその、覚書としての補修技術記事でした。もしもの時に、是非お役立ての程を。

 ではでは、また!
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プロフィール

翠騎

Author:翠騎
日々を趣味の探求に生きる旦那芸の人。

神姫オーナーとしてはパートナーのシュメッターリング3rd改「ナナ」を中心に、広く浅くやっております…といいますか、むしろナナの方が知られていたり(^^;
(その他の神姫たちはこちら
最近は30数年ぶりにガンプラ熱再燃、旧ザクアメイジング作ったりとか妖怪グレイズ置いてけだったりとか。
あと、ミニ四駆も始めたてほやほや。

もし何かございましたらこちらまで、お気軽にどうぞ!
(スパム回避のため画像になっておりますので、ご注意くださいませ)

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